2018年11月30日金曜日

高齢化社会の賃貸経営とリスクヘッジ

日経新聞電子版にこんな記事が出ました。

一人暮らしの高齢者が大都市で急増している。日本経済新聞が国勢調査を分析したところ、三大都市圏(1都2府5県)は2000年以降の15年間で2.1倍の289万人に達し、15年に初めて世帯全体の1割を突破した。 ~2018/11/26  日経新聞電子版~

ひとり暮らしシニア増減マップ
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/elderly-single-dwellers-map/

国立社会保障・人口問題研究所によると「総世帯数に占める世帯主が65歳以上の一般世帯数の割合は,2015 年の36.0%から2040 年の44.2%へと大幅に上昇する」と公表しています。

高齢者の世帯が増える一方で不動産オーナー側は高齢者の入居に積極的ではないという調査が出ています。

今回は賃貸経営における高齢者入居とリスクヘッジについて考えます。



◯不動産オーナーが感じる高齢者入居の不安



・家賃の支払いに対する不安
・単身高齢者の孤独死など死亡事故の不安
・室内での火災事故の不安
・近隣住人との関係性の不安
・バリアフリーなどの環境が整っていない

オーナーにとって一番の不安は死亡事故や火災などで所有物件が事故物件になってしまうことです。

事故物件になってしまうと新しい入居者を募集する時に、その事実を告知する義務があります。

次の入居者への賃貸契約に大きな影響があるだけでなく、大島てるなどの事故物件サイトにデータが残ってしまうと、今後数年に渡って家賃が下がる、入居者が見つかりにくいなど賃貸経営に悪影響が出てしまいます。

このような不安があることで高齢者の入居に積極的になれないオーナーが多いのだろうと思われます。



◯安心して入居してもらうための工夫


・見守りサービス

見守りサービスの多くは親族が高齢の親を心配して利用することが前提ですが、
不動産オーナーや管理会社が利用できる見守りサービスもあります。

高齢者入居の場合には入居時に加入を条件とすることで対応します。

・センサー付設備

電気・ガスの利用料やドアのセンサーなど設置しているセンサーによって生活状況を確認するタイプの設備があります。

カメラのついている設備はプライバシー保護の問題があるので不動産オーナーや管理会社が利用するよりは親族に加入してもらうことが現実的です。

・孤独死保険

いくら設備などで対策をしていても賃借人が亡くなる事故は100%防ぐことはできません。賃貸住宅内で孤独死等の特定事由事故が発生した場合、空室期間や値引期間の家賃の損失、原状回復費用、遺品整理等費用が補償される保険があります。



◯人口減少時代の賃貸経営では高齢入居者も大切なお客様


高齢者や低額所得者等の入居を拒まない「新たな住宅セーフィティネット制度」が創設されていますが、2018年11月末時点でホームページ「セーフティネット住宅情報提供システム」上での登録件数は5,842件です。(うち大阪府が4,518件)
※東京都はわずか275件

この数字を見る限りセーフティーネット住宅は足りていないことは明らかです。


雇用が東京に集中している状態ですから、やむを得ず高齢の親と同居できない人は多いと思います。

実家のメンテナンスなどの事情から自宅をダウンサイジングして子供の家の近くの賃貸に引越したい高齢者も増えるかもしれません。

今後、高齢者の賃貸需要が増えることは明らかですからリスクヘッジすることで高齢入居者とうまくつきあっていければ経営面のプラスだけでなく大きな社会貢献にもなります。

賃貸市場は物件が増え続け供給は飽和状態です。
もし上手にリスクを回避できれば、「高齢者入居」は空室対策として有効と言えます。

2018年11月22日木曜日

厳しい融資環境で不動産投資家ができること

不動産投資と収益物件の情報サイト健美家の「 不動産投資に関する意識調査( 第10回 ) 」によると融資が厳しくなったと感じている投資家が全体の約6割ということが分かりました。

「厳しくなった」と感じた理由は、「自己資金の割合が増えた」(67.1%)、「融資はしていないと言われた」(17.7%)が上位となりました。

融資が厳しくなる一方で「一棟マンション価格上昇に一服感、緩やかな下落傾向へ」という調査結果も公表しています。

融資が厳しくなるということは物件を買える人が減るということなので需給のバランスで価格が下がります。

融資を受けられる資産状況の人にとっては購入のチャンスが訪れつつあると言えます。

融資が厳しく収益不動産価格が下がりつつある市況で不動産投資家は何をすればいいのでしょうか?



〇融資を利用する不動産投資はイールドギャップが粗利益



不動産投資では投資資金を100%自己資金でまかなう人は少なく一般的には借入金を併用して購入します。

不動産投資においては借入金の金利と経費差引後の投資物件の利回り(NOI)の差をイールドギャップと言って不動産投資の粗利益はこの部分になります。

イールドギャップを大きくするためには利回りの高い物件を手に入れる、借入金の金利を下げるということが必要です。


〇不動産投資初心者は借入金の金利を下げるへの意識は低い



不正融資が問題になったスルガ銀行の金利は3.5%~4.5%でした。
金利の高いスルガ銀行が多く利用された理由はスルガ銀行の特殊な融資のモデルにありました。

①どこよりも早い審査
②他の金融機関が貸さない案件にも貸す
③リスクを負う代わりに高金利

他行がやらない融資をするという姿勢は不正融資さえなければ良いビジネスモデルだったと思います。

本来のスルガ銀行の使い道は他の金利の低い銀行では融資が受けれられないけれど利回りが高い物件を購入するために使うというのが正しい使い方だったのですが、審査スピードにばかり注目が集まり加熱した市況での物件購入の番手争いのために利用されていた面があります。

中には少し自己資金を使えば半分以下の金利で融資を受けられたケースもあるでしょう。
高金利で借りてしまった人は借入金の金利を下げれば、その分儲かるという意識が弱いことが原因にあるかもしれません。

物件探しをする前に自分にいい条件で融資をしてくれる銀行を探しておけば物件確保のために高い金利で融資を受ける必要はなかったかもしれません。


〇融資が厳しいからこそ銀行を開拓する



スルガ銀行の問題があってから銀行は質屋さん状態になっています。
それでも銀行は絶対に不動産賃貸業に融資をしないというわけではありません。

建美家の調査でも融資が厳しくなった理由として「自己資金の割合が増えた」という回答が多く、一定の資産と安定収入があれば不動産融資はまだまだ受けることができます。

確かな事業シミュレーションがある堅実な不動産賃貸業なら融資をしても良いという銀行はあるのです。

融資が厳しくなっているのは事実なので断られることは多いと思いますが、融資をしてくれる銀行を見つけることができれば競合の少ない市場で物件を買うことができます。

ご自身の居住地近辺の全ての金融機関にアプローチするくらいの気持ちで融資をしてくれる金融機関を探してみてはいかがでしょうか。


〇融資が厳しい時ほど不動産投資はチャンスがある



先ほど「融資を利用する不動産投資はイールドギャップが粗利益」と説明しました。
融資は厳しくなっていますが低金利の状況は変わっていません。

低金利は変わらず物件の価格は下がりつつあるのですから利益が得やすい状況に変わってきています。

自己資金を貯めてしっかりと不動産賃貸業について知識を持てば不動産投資は資産運用の有効な手段と言えます。

スルガ銀行の二の舞を恐れて融資審査は必要以上に慎重になっていますが、契約書類や審査書類の改ざんで起きていた異常な価格高騰は終わり収益不動産市場は正常な状態に戻ろうとしています。

かぼちゃの馬車に代表される失敗の事例から学んでリスクの少ない投資を実行してください。

2018年11月2日金曜日

2018年11月の住宅ローン金利は小幅上昇

2018年11月の住宅ローン金利が発表されました。


フラット35(返済期間21年以上35年以下)の金利は最低金利が3か月連続で上昇しています。
各行の住宅ローン金利は据置きか、やや上昇しています。

10月31日の金融政策決定会合で日銀は金融政策の現状維持を決定しています。

また、「2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」との政策金利に関するフォワードガイダンスも維持されました。




2018年11月の住宅ローン金利一覧
変動金利3年固定10年固定20年固定
三菱UFJ銀行0.5250.4500.850
みずほ銀行0.5250.6000.8001.300
三井住友銀行0.5250.9001.5001.790
りそな銀行0.4700.9951.3452.395
三井住友信託銀行0.4750.4500.8001.200
横浜銀行0.6000.7251.0751.550
ソニー銀行0.4570.7630.9801.559
新生銀行0.6000.9001.1001.650
東京スター銀行0.5000.9001.100
イオン銀行0.5200.4300.740
住信SBIネット銀行0.4470.860
楽天銀行0.5270.9501.242
じぶん銀行0.4571.4701.6301.910
※金利は毎月見直されます。申込時ではなく、借入時の金利が適用されます。
※上記金利は金利引き下げ後の金利です。金利の引下げ幅は、審査結果等により決定します。
フラット35
15~20年21~35年※借入90%以下 団信なし
ARUHI1.3501.450
住信SBIネット銀行1.3501.450
楽天銀行1.3501.450
イオン銀行1.3501.450



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2019年1月住宅ローン金利 長期固定金利・フラット35引き下げ

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