2018年10月26日金曜日

この土地はいくら? 土地の価格知る方法

土地の価格を知るには不動産会社に査定を依頼するしかありません。
しかし、不動産会社に査定を依頼すると後でしつこく営業かもしれないと感じて気軽に頼むことはできないだろうと思います。

土地の価格には固定資産税評価額・路線価・公示地価・基準地価・実勢価格があります。
実際の取引価格は実勢価格ということになるのですが、レインズを見ることができない消費者には実勢価格を知ることができません。

土地の価格を知りたい時に消費者はどうすればいいのでしょうか?



〇たくさんある土地の価格


・公的な土地価格


①路線価
http://www.rosenka.nta.go.jp/

②公示地価・基準地価
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0

③固定資産税評価額
www.chikamap.jp

④不動産取引価格情報
http://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet


一般的な目安として路線価は公示地価の80%程度、固定資産税評価額は公示地価の70%程度と言われています。

あくまで税金を取るための基準価格なので低く設定されているということでしょうか。



・民間が公表している土地価格


①不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME'S
https://www.homes.co.jp/tochi/price/

②不動産・住宅サイト SUUMO 
https://suumo.jp/tochi/soba/

③野村不動産アーバンネット価格動向調査
https://www.nomu.com/knowledge/chika/


野村不動産アーバンネット価格動向調査は対象地の営業店舗から聞き取りをした価格とのことですのでまさに実勢価格です。

HOME’SやSUMMOは広告掲載された物件の価格に調整を行って相場を算出しているとのことですので比較的実勢価格に近いのだろうと思います。


〇公的価格と実勢価格を比較してみる



例① 目黒区鷹番(東急東横線「学芸大学」駅)
A:路線価 580,000円
B:公示地価 829,000円
C:HOME’S 935,700円
D:SUMMO 996,700円
E:野村不動産 1,082,600円
F:レインズ 923,000円(H27)→1,092,800円(路線価の上昇率で補正)
実勢価格(C~Fの平均) 1,025,000円 公示地価の124%

例② 八王子市子安町(JR中央線「八王子」駅)
A:路線価 220,000円
B:公示地価 278,000円
C:SUMMO 229,000円
D:野村不動産 264,400円
E:レインズ 246,800円(H27)→258,400円(路線価の上昇率で補正)
実勢価格(C~Eの平均) 250,600円 公示地価の90%

例③ 仙台市泉区桂(仙台市地下鉄南北線「泉中央」駅)
A:路線価 75,000円
B:公示地価 97,000円
C:SUMMO 141,800円
D:レインズ 106,300円(H28)→113,800円
実勢価格(CDの平均) 127,800円 公示地価の131%

例④ 広島市中区白島九軒町(JR山陽本線「新白島」駅)
A:路線価 245,000円
B:公示地価 325,000円
C:SUMMO 406,900円
D:レインズ 411,000円(H30)
実勢価格(CDの平均) 408,950円 公示地価の125%

例⑤ 岐阜県恵那市長島町中野(JR中央本線「恵那」駅)
A:路線価 40,000円
B:公示地価 49,800円
C:SUMMO 52,200円
実勢価格(C) 52,200円 公示地価の104%


5件ほど比較のために事例を出しました。
実勢価格は公示地価・基準地価よりもやや高いことが多く、都市部など需要の高い地域ほど乖離が大きいことが分かります。


需要のある(土地の価格の高い)場所で乖離が大きくなる理由の一つとして公示地の土地の面積が考えられます。

例えば①の目黒区鷹番の事例では公示地の面積は200㎡です。
200㎡×829,000円(公示価)だと16,580万円ということになりますが、15,000万円を超える土地を買える人は限られます。

実勢価格を考える時は80~100㎡程度を想定するのが現実的です。
需給のバランスで手頃な面積ほど土地単価は高くなるということが乖離の大きくなる理由のひとつです。

需要の高い地域ほど手頃な土地面積の物件は競争が激しくなり単価が上がります。
23区などの需要の高い地域では公示地価で物件を探すとまともな物件が見つからない可能性が高いということです。


〇公的価格を使っておおまかな土地の価格を知る方法



公的価格の中で実勢価格に一番近いのは公示地価ですが、公示地価は数が少なくたまたま自宅の近くに公示地がなければ参考になりません。

そのため公的価格を使って土地の価格を知るときには路線価を使います。
ただ、路線価そのものは実勢価格とは大きく乖離しているので使いません。

路線価の有用なところは道路ごとに価格がついているということです。
道路ごとに価格がついているため近隣の土地との比較ができます。

価格を知りたい土地の近隣に成約事例があれば成約事例と価格を知りたい土地の
路線価を比較することで土地の価格を知ることができます。

①不動産会社を通じて価格を知りたい土地(査定地)の周辺で成約事例を手に入れる
②成約事例の価格と路線価を比較 
③査定地の路線価と比較

目黒区鷹番の事例
取引事例地
路線価 640,000円
取引価格 923,000円(H27)→時点修正で1,092,800円
実勢価格は路線価の約1.7倍

査定したい土地の路線価が600,000円だと仮定すると
600,000円×1.7075=1,024,500円

査定したい土地の近隣で成約事例が見つかればこのように価格の試算ができます。 
成約事例は不動産会社を通してしか入手できないのでポータルサイトに掲載されている物件の平均値などを使って近隣路線価の平均との比較で試算をしても良いと思います。

土地の価格はその土地個別の要素(土地の形・画地規模・相隣関係など)に加えて売主買主、それぞれの事情に左右される面も強く土地の価格を知ることは難しいですが近隣の事例と路線価を比較しておおまかな価格を知ることができます。

最近では土地を評価額の3倍で買ってしまったとか割高の物件をフルローンで買ってしまったなどの話がよく報道されます。

不動産の売却を検討している人や購入を検討していて土地の価格を知りたい人は自分の身を守るためにもおおまかな土地の価格くらいは調べてみることをお勧めします。

2018年10月18日木曜日

不動産業界は資格ビジネスよりも先にやることがある

先日、賃貸不動産経営管理士協議会から「FOLLOW UP」と書かれた封筒が届きました。
中にはサポートマガジンが1冊と他の資格の受験案内が多数。

不動産営業マンにスキルアップが必要なのは分かりますが、不動産業界は資格ビジネスよりも先にやることがあるだろうと思います。


それにしても資格の数が多すぎる。

不動産に関連する資格はたくさんありますが、こんなにたくさんの資格があると消費者もどの資格を信用したら良いのか分からないだろうと思います。

不動産に関する資格とその業務についてまとめてみました。



○こんなにある不動産関連の資格



不動産鑑定士 
宅地建物取引士
マンション管理士 
管理業務主任者
賃貸不動産経営管理士 
不動産キャリアパーソン
相続診断士
相続知識検定マスター
相続支援コンサルタント
不動産カウンセラー
不動産戦略アドバイザー
土地活用プランナー
民事信託マスター
建築士(1級・2級)
土地家屋調査士
公認 不動産コンサルティングマスター
宅建マイスター
再開発プランナー
ビル経営管理士
不動産証券化協会認定マスター
CPM(米国公認不動産経営管理士)
競売不動産取扱主任者

他にもたくさんあると思いますが思いつく範囲で書いてみました。



○不動産に関連する独占業務資格



業務独占資格とは、ある業務に対して、ある資格を有する者のみが行うことができることが法律で決まっている資格のことです。
医師免許がないのに医療行為をしてはいけないといったことです。

上にあげた不動産に関連する資格で独占業務があるのは以下の5つです。

・不動産鑑定士(鑑定評価業務)
・宅地建物取引士(重要事項説明)
・管理業務主任者(重要事項説明・管理事務報告)
・建築士(設計・工事監理)
・土地家屋調査士(不動産表示登記・調査又は測量)



○本当にあてになる資格はなにか?



独占業務がある資格の中で不動産の営業マンが持っている可能性があるのは宅地建物取引士ではないでしょうか。

私見ですが宅建すら持っていない営業マンは不動産を売買にかかわる資格はないと思っています。

それほど難しい資格ではないですし、契約時に自分が売る・買ってもらう物件の重要な書類の説明ができないのです。
5年以上の実務経験があるのなら持っていなければいけない資格です。

他の資格も知識を習得し、登録料などを払う必要がありますので資格を持っているということはそれだけの意欲があるということです。

資格を更新するために一定の単位(講習の受講など)を必要とする資格もあり、資格を維持するのはそれなりに大変です。

例えば不動産コンサルティングマスターは更新までに3回の講習受講が必要です。
何らかの資格を持っている担当者は知識の習得に意欲があると思って良いと思います。
難易度はさまざまなので名刺をもらったら調べてみるといいでしょう。



○不動産業界は資格ビジネスよりも先にやることがある



不動産の民間資格の多くは不動産業者の一部が社団法人などを作って資格試験や認定講座を行って資格を発行しています。
資格の認定・登録がビジネスになっているケースもあると思います。

残念なことですが今の不動産業界で担当者のスキルで取引相手を選んでいる人は少ないでしょう。
不動産営業マンの価値=物件情報の良し悪しになっているのが現状です。

原因は公開されている情報が少ないからです。
この業界の不透明な現状が働く人のスキルアップへの意欲をなくします。

何の勉強もしなくても物件情報が良ければ取引ができて成績になります。
現状は不動産営業として最も役立つスキルは楽に売れる物件の情報を集めることです。

不動産取引に関する知識や倫理観はなくても情報収集がうまければいい成績が残せるのです。

宅建の勉強よりも情報収集のために交流会に行く、宅建試験日にアポイントがあれば試験には行かないというのが現実です。

不動産業界の情報(特に物件情報)が広く公開されれば消費者は物件情報を公平に入手できるようになり、取引相手として優秀な営業マンを選ぶでしょう。

営業マンに求めるのは情報ではなく、不動産取引のアドバイス(物件の注意点など)や売主側との交渉などのサービスになり営業マン側には知識と経験が必須となります。

情報公開が先に進めば営業マンはスキルアップが必須となり資格取得も進むのではないかと思います。

不動産業界は資格取得を促すために労力とお金を使うのなら情報公開のためのシステム作りに力を入れてほしいと思います。


2018年10月5日金曜日

金融庁 2018事務年度の金融行政方針を公表 

金融庁が2018事務年度の金融行政方針を公表しました。
https://www.fsa.go.jp/news/30/Summary_of_For_Providing_Better_Financial_Services.pdf

金融行政が何を目指すか、いかなる方針で金融行政を行っていくかを公表するものです。
銀行業界の今後の動向を予測するためにも重要なレポートです。

金融行政方針には資産形成や投資用不動産融資にかかわる記載もありますので内容を確認したいと思います。



〇家計の安定的な資産形成の推進



はっきりと「家計の安定的な資産形成の推進」とレポートに書いてあります。
金融庁は国民の資産運用による資産形成を推進する方針なのは間違いありません。

金融庁が投資信託による資産形成において問題としているのは投資信託平均保有期間の短期化と営業現場での期末の収益目標を意識したプッシュ型営業の可能性です。
期末になると手数料稼ぎのために投資信託を買わせているのではということです。

以前、「銀行の投資信託、46%の個人が損失」という報道がありました。

金融庁が主要行9行と地方銀行20行の窓口で投信を買った客全員の今年3月末と購入時の投信の評価額を比べた。顧客が払う手数料も引き、実質的な「手取り」を試算すると、46%の人の運用損益がマイナスで、損をしていたという。購入した時期にもよるが、株価が上昇基調で比較的「損をしにくい」環境のなかで、比較的多くの人が損をしていたことになる。  2018年7月5日朝日新聞デジタルより

金融庁としては国民の資産形成を推進しています。
長期投資による資産形成ということで投資信託の購入を勧めていますが、銀行を窓口にして投資信託を買うと損をする人が多いということで顧客本位の業務運営をしているかチェックするぞと銀行に釘を刺しているようです。

長期分散投資という面でつみたてNISAについても言及しています。
2018年1月開始のつみたてNISAは、20代~40代が口座開設者の約7割であり、新たな投資家層の拡大に寄与。
ただし、認知度は40%程度であり、利用は一部の層にとどまる現状。制度面・普及面の双方において、更なる取組みが課題。


投資による資産形成を推進している一方で金融リテラシーの向上が必要と指摘しています。十分な投資知識を身につけることが身を守るために大切ということです。



〇投資用不動産向け融資




アパート・マンションやシェアハウス等を対象とした投資用不動産向け融資についても指摘されています。

①金融機関・悪質な持込不動産業者双方が関与した、入居率・賃料、顧客財産・収入状況の改ざん
②抱き合わせ販売といった、顧客保護の観点から問題ある事例が発生

投資用不動産向け融資に関して「横断的アンケート調査や検査も活用しつつ、以下を中心に深度あるモニタリングを実施する。」としています。

・顧客の返済可能性を考慮した融資実行時の審査、持込不動産業者が提示した価格の検証や、空室率・賃料水準の推移の把握 を前提とした期中管理をはじめとする融資審査・管理態勢

・ 顧客の不動産購入目的を踏まえた借入の合理性の検証や、賃料収入に関するリスクの説明等、顧客保護等管理態勢

・不当な抱き合わせ販売を防止する等の法令等遵守態勢

融資実行後の管理を適正に行っているかという点も検査項目となっているため既存の融資についても検査対象となる可能性があります。

すでに融資された一物件一法人スキームなども銀行にチェックされる可能性が出てきました。

知らないふりをしていた銀行も金融庁からチェックされる前に一括返済を迫ることもあり得ます。

悪いことをしてしまった投資家は、いつばれるかビクビクしながら暮らすよりも早めに銀行に謝ってしまうか、物件を売却してしまう方がいいかもしれません。



〇投資をするなら正しい知識を学んでから




投資信託にしても投資用不動産にしても損をしたりだまされる人は勉強不足というのが根本にあります。

投資信託は長期的に保有しなければ資産形成のための手段にはなりません。
手数料の高い投資信託を買ってしまうのも知識が足りていないからです。

投資用不動産にしてもリスクの高い物件に投資をしてしまったり、おかしなスキームを使ってしまうのは長期間運営するとどうなるか分かっていないからです。

金融庁の行政方針には資産形成の推進と金融リテラシーを向上させる必要性が指摘されています。

これから投資をする人はある程度の知識を習得するか信頼できるアドバイザーを見つけてから投資を実行するようにしてください。


2018年10月1日月曜日

2018年10月の住宅ローン金利は据え置き

2018年10月の各行住宅ローン金利はほぼ横ばいとなりました。

9月は日銀の政策変更の影響で引き上げられましたが10月は横ばいとなりました。




2018年10月の住宅ローン金利一覧
変動金利3年固定10年固定20年固定
三菱UFJ銀行0.5250.4000.800
みずほ銀行0.5250.6000.8001.300
三井住友銀行0.6251.0501.5501.740
りそな銀行0.4700.9951.3452.395
三井住友信託銀行0.4750.4500.8001.200
横浜銀行0.6000.7251.0751.550
ソニー銀行0.4570.7560.9601.520
新生銀行0.6000.9001.1001.650
東京スター銀行0.5000.9501.150
イオン銀行0.5700.3800.690
住信SBIネット銀行0.4470.860
楽天銀行0.5270.9321.204
じぶん銀行0.4571.4701.6401.900
※金利は毎月見直されます。申込時ではなく、借入時の金利が適用されます。
※上記金利は金利引き下げ後の金利です。引下げ幅は審査結果等により決定します。
フラット35
15~20年21~35年※借入90%以下 団信なし
ARUHI1.3301.410
住信SBIネット銀行1.3301.410
楽天銀行1.3301.410
イオン銀行1.3301.410



日銀は18・19日の金融政策決定会合で金融政策は7月の前回会合で決めた方針を維持しました。

長期金利目標はゼロ%程度としつつ「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」と明記し、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)の買い入れ目標額や「市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」との表現も据え置きました。


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2019年1月住宅ローン金利 長期固定金利・フラット35引き下げ

2019年1月の住宅ローンの金利が公表されています。 ほとんどの銀行が長期固定金利を引き下げました。 フラット35の金利も2カ月連続で低下となりました。 2019年1月の住宅ローン金利一覧 変動金利 3年固定 10年固定 20年固定 三菱UFJ銀行 0....