2018年7月31日火曜日

不動産投資に関連する平成30年度税制改正

平成30年度の税制改正では各種税制が大きく改正されました。
主な改正点とその中で不動産投資に関連するものを取り上げて

ご説明します。


主な改正点


〇個人関連項目

①給与所得控除の引き下げ
②公的年金等控除の引き下げ
③基礎控除の見直し(38万円→48万円)
④青色申告特別控除の引き下げ
⑤NISA口座開設の簡略化
⑥事業承継税制の創設
⑦小規模宅地等の特例の見直し
⑧国際観光旅客税の創設
⑨輸出物品販売場制度の見直し
⑩たばこ税の見直し

不動産投資をしている人に関連する項目として
青色申告特別控除と事業承継税制・小規模宅地等の特例について説明します。

・青色申告特別控除の引き下げ

正規の簿記の原則に従って記帳している人に係る青色申告特別控除額が
55万円に引き下げられます。
ただし、電子申告等の条件を満たす場合には65万円のままとなります。

・事業承継税制の特例の創設


中小企業の円滑な代替わりを促すため10年間の特例措置として拡充されました。
特例制度では贈与・相続・遺贈により取得した全株式に係る贈与税・相続税の
納税が猶予されます。

資産管理会社は対象外ですが、常時使用従業員が5名以上いるなど、
事業実態があるものとして一定の要件を満たす場合には資産管理会社も
対象となります。


・小規模宅地等の特例の見直し


小規模宅地等の特例は事業用または居住用の宅地等の相続税の課税価格を
軽減することで相続人の事業・居住の継続等に配慮する目的でしたが
制度の目的に沿っていない利用が行われているため見直しが行われました。

①別居親族に係る特例の適用対象者の範囲縮小
②貸付事業用宅地等の範囲の縮小
※相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等が除外されます。
③被相続人の居住のように供されていた宅地等の範囲の拡大



〇法人関連項目

1.所得拡大促進税制の見直し
2.情報連携投資等の促進に係る税制の創設
3.事業再編に係る株式譲渡益の繰り延べ
4.電子申告の義務化
5.中小企業等経営強化法の改正に伴う登録免許税
  不動産取得税の軽減措置
6.一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し


不動産投資をしている人に関連する項目として
一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直しについて説明します。


・一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し


一般社団法人等を利用した親族間での資産移転による課税逃れを防止するため
改正が行われました。

※一般社団法人を利用した課税回避スキーム
①個人から一般社団法人に不動産や有価証券など相続税の対象となる財産を移す
②一般社団法人の理事長に将来の相続人である子どもや親族が就任
③家族の財産を一般社団法人を通じて管理

一般社団法人は株式会社のように出資持分に対する財産性が
認められていません。

そのため一般社団法人が所有する財産には相続税が課税されないことを
利用して相続税対策として一般社団法人への財産移転が究極の節税スキーム
として行われていました。

改正では同族役員の割合が一定数を超える一般社団法人に相続税を課すようになり、
贈与についても課税の規定が明確化されました。


もともと一般社団法人は公益性・公共性が高い法人を前提としていたため
相続税対策に利用されることは一般社団法人の趣旨に反します。

租税回避として塞がれてしまう可能性は十分にあったのでしょう。


投資や節税などはいろいろなおいしい話が次から次へと現れますが
一般社団法人スキームのように常識的に考えておかしいものについては
自分で十分な情報収集をしてから実行するか判断をする必要があります。

2018年7月19日木曜日

不動産投資でだまされやすい人

不動産投資では定期的にだまされて投資に失敗してしまった人の記事が出ます。
かぼちゃの馬車、サブリース、1棟RCの三為業者などなど。

定期的に記事が出るのに、それでもやっぱり不動産業者や不動産コンサルタントに
だまされてしまう人はいるわけです。

今回は不動産投資でだまされやすい人の特徴をまとめてみました。 



○不動産投資でだまされやすい人はこんな人 



①相場感のない人 


未だにRC造 築20年以内、積算価格>物件価格 利回り10%以上というような条件で
物件を探している人はたくさんいます。

首都圏ではまともな物件がないので必然的に物件を地方で探すことになります。
土地勘がないうえに相場も分からない、当然賃貸需要も分かりません。

遠くて物件も見に行けないということで写真やストリートビューなどで
物件を見て購入、結果的に儲からないというパターンです。

物件が安い、利回りが高いのは理由があってのことです。 
相場感のない人はなかなか条件に合う物件がありません。 
たまに出てきた安い物件に飛びつきがちです。 



②他人に依存しやすい人 


投資にメンターを必要とする人です。
「私について来れば誰でも家賃収入で月100万円」などと言われると
簡単に悪質なカリスマ大家さんコンサルに捕まってしまいます。

カリスマ大家さん先生が勧めているという理由だけで
自分の属性で買える物件を言われるがままに買ってしまいます。
少し空室があるくらいで収支が合わなくなるような物件でも
なぜか買わされてしまいます。

しかも仲介手数料に加えてコンサル費用までお支払いしているケースも多数です。
まじめにアドバイスをしてくれる大家さん先生もいますが
残念ながら、ごく少数です。

成功事例を誇示したりSNSなどで羽振りのいい様子を見せている人でも
実際には不動産投資は失敗でコンサルや顧客紹介手数料でしのいでいる
カリスマ大家さんもいます。

物件を積極的に紹介してくれる人は業者から
紹介料をもらっている可能性が高いです。
紹介料のために全力で物件を勧めてきますから冷静に対応して下さい。



③買いたい病の人 


相場感のない人がかかりやすい病気です。
不動産探しはとても疲れます。

物件が欲しいのに買えない時期が続くとリスクの査定が甘くなって
おかしな物件を買ってしまいます。

相場感のない人はそもそも物件がありません。
良いと思って見に行ったら事故物件とか空室だらけとかを繰り返していると
だんだん疲れてきて買いたい病に罹患してしまいます。

不動産投資には行動量とやり続けることが大事とか言うコンサルがいますが
受験勉強とか納期のある仕事と投資は違います。
最終的に買わないことが正解の場合もあります。

不動産投資は期限を決めてやることではないのです。
不動産投資は買ってからが事業のスタートです。
期限を決めて不動産を買うことを目的にするのは間違っています。



④融資で物件を選ぶ人 


積算評価は土地建物の価値の評価で物件の収益性とは無関係です。
それでも融資のために積算評価の高い物件を探している人はたくさんいます。

不動産は高額なので融資を受けられないと物件が買えないという人が大半ですが
融資が受けられるという理由だけで物件を買うのは大間違いです。

銀行が融資をしてくれるから安心して物件を買ってしまう、
かぼちゃの馬車のオーナーにもたくさんいたようです。

銀行は事業の成功ではなく貸したお金が帰ってくるかを審査しています。 

物件の収益とお金を貸す人の返済能力を総合的に判断して
融資の可否を決めているのです。

物件の収益性は大したことがなくても本業の年収を当てにして
融資をしているのかもしれません。
銀行が融資してくれるから安心というのは物件の判断基準としては間違っています。



○だまされないために結局は自分で調べて判断するしかない 



だまされたと言えるのか分かりませんが、かぼちゃの馬車に投資をした人は
賃貸需要・賃料相場・土地価格相場など不動産に投資をうえで事前に調査するべき
事項について調査不足だったと思います。

サブリースだから、銀行がお金を貸してくれるからなどの理由でリスクとなる
事項の調査を怠ってしまったのです。

投資は自己責任なのですからリスクとなることは他人に頼らず決断をする前に
自分で調べるしか身を守ることはできません。

最初は不動産の相場が分からなくても物件を探しながら
なんとなく把握することはできます。

不動産会社やコンサルタントに収益物件の成約事例や賃料、土地価格のデータを
提供してもらっても良いでしょう。

最初は利回り10%で物件を探していて、希望のエリアの相場が8%だったなら
自分のシミュレーションを8%でやり直してみて収支が合わないなら
投資そのものをあきらめるか希望のエリアを変えて探すなど対応すれば良いのです。

相場を無視して利回り10%の物件を待ち続ければ何らかの理由で
利回りを高くしないと売れない物件しか該当しなくなります。

その何らかの理由を教えてもらえないまま物件を買ってしまえば
将来賃貸経営が行き詰ってしまうかもしれません。

不動産投資は数字とロジックで判断するしかありません。
だまされないためには自分でも不動産投資についての知識を身に付けて
「必ず成功する」「誰でも儲かる」などの甘い言葉ではなく
客観的な数字を頼りに冷静に判断して物件を選んでください。


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