2018年6月1日金曜日

スルガ銀行の不正融資問題① アパートローンで銀行は何を審査しているのか?

こんにちは。
栄不動産株式会社です。
http://s-fudousan.cbiz.co.jp/

5月29日の「ガイアの夜明け」でも取り上げられたかぼちゃの馬車問題。

シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社スマートデイズが
経営破綻した問題ですがスルガ銀行の行員の関与が疑われ融資審査が
問題になっています。

住宅ローンと比較して普通のサラリーマンが1億円の融資を受けられるなんて
異常だと解説している記事があったりします。

銀行はアパートローンで何を審査をしているのでしょうか?



◎そもそもアパートローンとは?


①アパートローンとプロパーローン


○アパートローン


アパートローンは個人投資家が資産運用の一環で不動産投資に
取り組む際に用いる商品です。

住宅ローンなどと同じパッケージ化した消費性資金のひとつで年齢や年収、
購入物件の担保評価や返済比率など多くのチェック項目があり、
チェック項目をクリアすれば融資を受けることができます。

新設法人を利用して物件を購入する場合も多くのケースが
アパートローンに準ずるものと思われます。

※返済比率とは
1年間の元利金等返済額の年収における割合


○プロパーローン


様々な企業や個人事業主に融資する一般的な事業資金融資です。
不動産賃貸業も「事業」として認められていて、
収益物件=設備投資という考え方で融資します。

「物件の担保評価」「物件の収益性」だけでなく、企業の財務力、過去の実績などに
対して融資が行われるため審査は複雑でアパートローンに比べて融資の決定には
時間がかかります。


②アパートローンと住宅ローンの違い



アパートローンと住宅ローンとの違いは「返済財源」です。
住宅ローンの借入可能額は、アパートローンとは異なり融資を
受ける人の税込年収によって決まります。

返済比率や審査金利は銀行によって異なりますが年収の〇%以内の返済比率なら
給与の中から支払いができるだろうという判断で融資の可否を決定します。

アパートローンの返済財源は賃料収入です。

しかし、アパートローンの審査で銀行は直接の返済財源ではない
個人の属性、年収・資産背景を審査対象とします。
その理由は下記の2点です。


1.家賃収入ゼロになっても、給与収入で返済は可能か?


何らかの理由で家賃収入が返済を下回るようなケースが発生したとしても、
給与からの持ち出しで返済が可能か審査しています。

2.給与収入や手持ちの資産で完済までに発生する赤字を補填することが可能か?


定期的に発生する物件の大規模修繕や不測の事態による修繕を預金や給与収入で
対応可能か審査しています。



③アパートローン審査の本質



銀行ごとに担保評価のやり方、家賃収入の評価のやり方、返済比率等
審査項目への考え方は異なります。

個別の評価のやり方は各銀行の方針がありますが、大前提として銀行は
「貸したお金が返ってくるか」を審査しています。


銀行としてリスクが高いと感じれば金利を高くして対応します。
スルガ銀行の件で考えれば金利は3.5~4.5%のケースが多いでしょうから
リスクの高い案件にリスク回避のため高い金利で対応していたことになります。

貸したお金が返ってくるか審査してリスクに応じて金利を設定するというのは
お金を貸す側の対応としては当然のことです。

銀行は慈善事業ではないので貸したお金に利子がついてが返ってくるかが
重要ですから投資家が儲かるかどうかは審査していないだろうと思います。

担保評価を積算評価(土地建物の価格)で判断する銀行が多いことが
銀行は物件の収益性にはさほど興味がないことを表しています。

銀行は投資家が投資に失敗したら土地建物の原価で物件を処分して
返済しきれないお金は給与収入で返してくれればいいので
物件の収益性はそれほど重視されないのです。

物件の担保評価さえ良ければ、誰でも融資OKとならないのは
アパートローンは物件への融資ではなく大家さん(人)への融資だからです。
返済財源の家賃とその人の返済能力も審査しているからということです。


このブログで銀行の融資が受けられる=優良物件ではないと度々申し上げているのは
銀行は物件の収益性は重要ではなく貸したお金が返ってくることが重要だからです。

「銀行は投資家の投資の成果ではなく
貸したお金が返ってくるかどうかを審査している」
と考えれば高い金利のスルガ銀行からしか融資を受けられなかった
シェアハウス投資の被害者はもう少し慎重になれたのではないでしょうか。

不動産オーナーは不動産賃貸業の事業者であり消費者ではありません。

これから融資を利用して物件を買おうと考えている人は
経営者の目線で事業計画や契約内容をしっかり分析して
「フルローンが利用できる=投資は成功する」という考えは捨ててください。

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