2017年2月28日火曜日

3月上旬国会提出予定「民泊新法」で民泊はどうなる?

3月上旬に住宅宿泊事業法(仮称、以下「民泊新法」)の提出が予定されています。

民泊新法は決められるのは
・民泊の運営を開始する方法に関する規定と営業可能な地域
・年間営業日数
・民泊運営者に課される義務
・民泊仲介業者への義務
などが予定されています。

民泊というのは自宅の一部や、空き家、マンションの空室などを活用して宿泊サービスを提供することです。

民泊は現状、実態が先行してグレーな部分で行われています。
新しい法律ができればそれに対応して規制が行われ違法な民泊は摘発される可能性があります。

今後、民泊を行うためには、民泊新法に基づく3つの合法民泊のどれかに該当しなければなりません。


 

①旅館業法に基づく簡易宿泊所


旅館業法に該当するかの判断は
・宿泊料の有無
・社会性の有無(広く一般に募集をしているか)
・反復継続性の有無
・生活の本拠か否か(旅行者か居住者か)
この4点で判断します。

世の中で行われている民泊は
・宿泊料をもらう
・ネットなどで募集している(社会性あり)
・反復継続している
・旅行者が利用する
ことから旅館業法に該当する可能性が高いです。

そのため今のまま営業を行うと違法民泊となり旅館業法違反となります。
旅館業法違反の罰則は6か月以下の懲役または3万円以下の罰金となります。

簡易宿泊所として営業を行うためには都道府県知事の許可が必要になります。
簡易宿泊所は宿泊人数が10人以下の場合には一人当たり3.3㎡以上の面積があることが条件です。

建築基準法や消防法など関係法令にも適合させる必要があり、衛生基準に従って運営されているかどうか立入検査があるなど条件は厳しくなります。

行政区によってはフロントの設置を義務づけているところもあり、ワンルームマンションなどでは簡易宿泊所民泊を行うことは困難な場合があります。

②特区民泊


国が定めた特区内では旅館業法の適要除外となります。
現在の特区の対象地域は大田区、大阪府、大阪市、北九州市です。

~大田区の場合~
羽田空港のある大田区は東京都で唯一、民泊条例を作り特区民泊に取り組んでいます。
http://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/kokkasenryakutokku/ota_tokkuminpaku.files/tokkuminpaku_annai.pdf

○主な認定要件
・一居室の床面積が 25㎡以上で施錠可能であること
・台所、浴室、便所・洗面設備があること
・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理・清掃に必要な器具などがあること
・外国語を用いた案内があること
・滞在期間が6泊7日以上であること
・建築基準法上「ホテル・旅館」が建築可能な用途地域であること

他には消防への事前相談や近隣住民への周知などの条件をクリアすると区から認定され民泊事業を行うことができます。

③新法民泊

新法によって以下の規制ができる予定となっています。

1.民泊の運営を開始する方法に関する規定と営業可能な地域

旅館業法の許可制よりも簡易な届出制が導入
住宅専用地域での営業が可能となる。

2.年間営業日数

180日以内(日数や時期は条例で制限できるようにする方針)

3.民泊運営者に課される義務

●家主居住型(ホームステイ型)
家主に宿泊者名簿の作成、ゴミ処理など最低限の衛生管理、周辺住民とトラブルになった場合の対応が義務づけられます。

●家主不在型
国土交通省に登録した管理業者への委託が義務づけられます。
利用者名簿の作成や衛生管理、騒音・ゴミ出し等の近隣トラブルや苦情の申し入れ先として管理業者への委託を義務づけます。

どちらの類型でも管理規約や賃貸借契約に違反していないか確認されます。

4.民泊仲介業者への義務

民泊仲介業者は登録制となります。
取引条件の説明、民泊であることをホームページに記載、行政当局への情報提供が義務化されます。


〇現在、民泊を行っている人は注意


現在行われている民泊の多くは違法状態の可能性が高いです。
合法的な民泊に移行するために今のまま営業を続けると違法な民泊は摘発される可能性があります。

政府は無許可営業の民泊、いわゆる「闇民泊」への罰金額の上限を現行の3万円から100万円へと引き上げる方針を示しています。

家主(民泊ホスト)にも罰則を貸す意向であることが報道されていますので許可を取得するか民泊からの撤退を考える必要があります。

〇不動産オーナーとして民泊トラブルに巻き込まれないように


賃貸契約書に使用目的の規定や転貸借の禁止規定をいれて自分の物件で違法な民泊が行われないようにしましょう。



2017年2月20日月曜日

仲介手数料無料の仕組み

投資用でも実需でも不動産を購入する時には物件価格以外に税金などの諸経費がかかります。
諸経費の中の1/3くらいは不動産会社に払う仲介手数料です。

仲介手数料の上限は国土交通省の告示で決まっています。
400万円以上の物件なら3%+6万円(別途消費税)です。

不動産仲介の場合には成功報酬となっていて多くの会社が購入相談を何時間しても、何回不動産会社の車で物件を見に行っても、物件の紹介だけを何年受けても成約をしない限りお金は取りません。

最近はインターネットの広告が充実していて物件情報をたくさん見ることができるので3%+6万円の仲介手数料は法外に高いなんて話もよく聞きます。

その流れからか仲介手数料無料を売りにする不動産会社が増えています。

仲介手数料を無料にしてしまうと成功報酬で運営されている不動産会社は収入源がありません。

今回は不動産会社が仲介手数料を無料にしている仕組みを説明します。


〇両手仲介と片手仲介



不動産会社は物件の売主と物件の買主から仲介手数料をもらうことができます。
売主買主双方の仲介を1社で行うことを両手仲介といいます。
売主買主どちらか一方の仲介を行うことを片手仲介といいます。

両手仲介については高く売りたい売主と安く買いたい買主との双方のエージェントとなることが利益相反であるという指摘がありますが、日本の不動産取引では禁止されていません。
※現実には両手仲介の場合にはやや売主よりのスタンスになることが多いように感じます。

数年前に週刊ダイヤモンドで物件の囲い込み行為についての記事が掲載されたときには、大手不動産仲介会社の平均手数料率は4.5%~5%超という資料がでていました。

ほとんどの取引が両手仲介で行われているという指摘のようです。
大手不動産仲介会社に勤務した経験から現実には4~4.5%くらいではないかと思います。
※当時は当たり前のように囲い込みが行われていました。

個人的には顧客側が両手仲介だということを知ったうえで取引をすれば両手仲介=悪ではないと思います。
もちろん囲い込み行為がないということが大前提です。


〇仲介手数料無料だと物件の選択肢が減る



仲介手数料無料を掲げている不動産会社の多くは売主、買主どちらか片方から仲介手数料をもらって片方を無料にしています。

両手仲介の手数料の片方を無料にしているのです。
この取引をするためには両手仲介であることが絶対条件です。

買主の手数料を無料にするなら売主から手数料をもらえる物件だけ紹介します。
世の中にはたくさんの物件が売りに出ていますが売主から手数料をもらえる物件はかなり少ないのが現状です。

そのため買主は物件の選択肢が大幅に減ることになります。

売主の手数料を無料にするならその物件の買主はその会社直接の顧客でなければならなくなります。(買主が手数料を払う)
囲い込みと同じ状態になるので取引機会は著しく少なくなります。


〇仲介会社が売主の関連会社で仲介手数料分が販売物件の利益に含まれている場合も



仲介会社が売主の関連企業というケースもあります。
その場合には手数料を無料にしてくれるかもしれませんが、仲介手数料分は販売物件の利益に含まれています。

売主の関連企業であっても関連が分からないような社名にして仲介手数料を取っている会社もたくさんあります。


〇仲介手数料無料を優先するかはその人の価値観



どうしても不動産仲介会社に払う価値がないと思う人、選択肢が減っても節約をしたい人は仲介手数料無料の会社を選んでもいいと思います。

ただし、仲介手数料を払わないということはサービスの対価を払わないのですから、相応の対応をされても我慢してください。


ちなみに収益物件を取得した場合の仲介手数料は減価償却の対象となります。
仲介手数料を土地建物の取得価額に按分して建物分が減価償却の対象となって経費に算入してできます。

全体から見れば大きな金額ではないかもしれませんが、せっかく払ったのなら申告して経費に算入しましょう。



2017年2月10日金曜日

不動産価格の高騰期にどう動くべきか?

投資用不動産のポータルサイト「楽待」(http://www.rakumachi.jp)や「建美家」(https://www.kenbiya.com)などが定期的に投資用不動産市場のレポートをリリースしています。

最新(2017年1月)のレポートによるとピークを過ぎた感があるものの依然として、不動産価格上昇のため利回りは低水準であることが分かります。


不動産価格上昇



2007~08のリーマンショックによって日本経済の大幅な景気後退が起こり、不動産価格が下がっていた2010年~12年頃の利回りと比較すると2~4%は利回りが下がっています。

原因にはアベノミクスによる不動産価格の上昇や金融機関の融資が受けやすくなったことがあげられます。

単純に2010年頃と比べると不動産の収益は悪くなっています。

このような不動産価格高騰期に投資家はどう行動すればいいのでしょうか?


〇融資が受けられるうちに買っておく


昨今の物件価格上昇の一因に金融機関の融資が受けやすいことがあります。
融資が受けやすいということは物件を購入できる人が増えるため、需要と供給のバランスで物件価格が高くなります。

景気後退が起きて物件価格が安くなると金融機関は融資マインドが悪化して、融資条件の引き締めなどでお金を貸さなくなります。

いつでも金融機関からお金を借りることができる自信のある人は良いのですが、融資を受けられなくなる可能性がある人は今のうちに物件を購入して運営実績を作っておくことも選択肢のひとつです。



〇物件が高いから何もしないでお金を貯めておく


不動産には相場があり何の理由もなく安い物件はありません。
景気が後退して物件が安くなった「その時」のためにお金を貯めておくことも選択肢のひとつです。

ただ、景気の動向は予測が難しいので「その時」がいつ来るかは分かりません。

貯蓄なのでお金は貯まりますが、銀行の金利はほぼゼロですから貯めた以上に増えることはありません。


〇安いうちに買った物件を売却して利益を確定する


リーマンショック後の不動産が安い時期に物件を購入して保有している人もいると思います。
不動産の利益は保有している限り含み益であり含み損です。

せっかく高く売れるのなら売って利益を確定しておくのも選択肢のひとつです。
融資を利用して物件を買っていると経費計上できる利息が減っていきますので収支は少しずつ悪くなります。

査定をして希望の価格で売れるのなら売却も検討してみてはいかがでしょうか。

〇不動産市況は予想ができない


不動産の市況や景気の予測はできません。
年始の経済誌で今年の景気予測が出ていたり、大企業の経営者にアンケートで予測を聞いたりしていますが年末に振り返ってみれば多くは外れています。

経済のプロでも景気の予測はできないのです。
不動産市況も簡単に予測できれば不動産会社は倒産などしません。

オリンピック後に不動産価格が下がると言われていますが、予測が当たるかどうかは分かりません。



〇投資用不動産探しの現実は厳しい


投資用の不動産を探すには時間と労力がかかります。
投資の本を読んだり、セミナーに行ったり、ネットで物件を探したり。

そのために使う時間を他のことに使えば不動産に投資をするよりも別の効果を得られるかもしれません。

どうしても利回り10%で物件がほしいと思っても他の大多数の人が9%で買うなら、物件は9%でしか買えません。

不動産だけでなく株式でも同じことです。
例えば最近の三菱東京UFJ銀行の株は1株750円くらいです。
2011年の12月くらいなら同じ株が320円くらいで買えました。

突発的な大事件でも起きない限り、現金をいくら持っていようが明日、三菱東京UFJ銀行の株を1株320円で買うことはできないでしょう。

株にしても不動産にしても相場が決まっているものの売買では仕方のないことです。

明日がいつもと変わらない平穏な一日なのに
「あなただけにこっそりと三菱東京UFJ銀行の株を1株320円で売ります。」
と言ってくる人がいたら騙されていると思うでしょう。

先ほどの例で言うと相場よりも安い金額で紹介された利回り10%の物件には他の人が利回り9%で買わない理由があります。

他の人が買わない理由が賃貸経営に悪影響のあるものなら物件を購入することで破綻する可能性を増やすことになってしまいます。

どうしても希望の利回りが相場と合わないなら無理をして物件を探さずに限られた時間を有効に使うことも必要なのではないでしょうか。

銀行に預けていても金利はつかないので何らかの資産運用は必要だと思いますが
資産の運用先は不動産だけではありません。


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