2016年12月12日月曜日

日本の不動産取引の現状と問題 ③

こんにちは。
栄不動産株式会社です。
http://s-fudousan.cbiz.co.jp/

過去2回の記事でアメリカと日本の不動産取引をくらべてみました。
その比較から日本の不動産取引の問題点と消費者側が気をつけることを考えてみます。


〇レインズは有効に使われていない


レインズには専属専任・専任媒介の契約をした物件を登録する義務があります。
成約をした物件についても成約情報を登録する義務があります。
しかし、どちらも徹底されているわけではありません。

理由としては違反をしても罰則が緩いことがあげられます。
アメリカのMLSは違反をすると厳罰がありますが、レインズは大手不動産会社の
役員など関係者が理事をしているせいか罰則を科されるケースはほとんどありません。
そのため、違反はなくならず、仲間のみんなが違反をするから
罰則もないというのが現状です。


〇消費者が物件について調べることができるツールが少ない


路線価・公示地価・固定資産税評価額どれも実際の売買との関連は
低いため参考になりません。
成約事例に基づいた不動産相場を調べられるツールが必要です。

消費者は物件について調べることができないため
未公開物件=優良物件と思い込んでしまいます。
公開されている物件は条件が良くても「出回り物件」だと
敬遠する人も少なくありません。

レインズ掲載されていて広告不可の物件は山ほどありますが、
会員専用ページに未公開物件として掲載したり、未公開物件のように見せるために
資料を作り直して紹介されている物件はたくさんあります。

未公開物件=優良物件と思い込んでいる人は実際にはレインズ公開されている物件を
未公開物件と思い込んでそれが実際の価値よりもよく見えてしまいます。

情報が少なく良い物件の価値基準を作ることができないためこんなことが
起きてしまいます。


〇消費者に不動産資格や検定の情報を知らせる努力が足りない


宅建以外にも不動産関連の資格や検定があります。
しかし、消費者はどのような資格や検定を受けている営業マンが
優秀なのか分かりません。

宅建資格を扱う不動産流通推進センターは不動産検定や講習を受けろと不動産会社に
たくさんメールを送ってきます。
しかし、そんな検定があることを知っている消費者はほとんどいません。
消費者側に知らせる努力をしていないからです。

資格、検定は有料です。時間も取られてしまいます。
不動産についてお金や時間をかけて知識レベルを高めている営業マンがいても
消費者には伝わらないのが現状です。

消費者側も時間をかけて調べなければ担当者の持っている資格が何の役にたって
どんな知識があるのか分かりません。

〇大手志向の消費者


日本の消費者は大手だから安心と思っている人がたくさんいます。
大手不動産会社にも優秀な営業マンがたくさんいますが、
支店の半数は経験年数が3年未満というようなところもあります。
マニュアル化されている分、安心感はありますがマニュアルにないことは
できない人も多いのです。

中小の不動産会社は完全に担当者次第となります。
いろいろな不動産会社と取引をしていますが、
担当者の業務知識は極端に差があります。

すごく優秀な人もいれば何の知識もなく年数だけを重ねている営業マンもいます。

消費者は大手でも中小の不動産会社でも営業マン個人の力量を見抜けなければ
いい不動産取引はできないのが現状です。


〇消費者はどうすればいいのか?


・ネットの情報をを鵜呑みにしない。

ネットの情報が必ず正しいとは限りません。
医療情報サイトのWELQのことが問題になっていますが
不動産情報サイトにも同じことが言えます。

・営業マンと多くのやり取りをする。

インターネットで問合せをするとたくさんの不動産会社から営業メールがきます。
多くの人は返信をしないようです。

営業マンの資質を判断するためにもやり取りをしてみて下さい。
まともなやり取りのできる営業マンとは会ってみてもいいと思います。

優秀な営業マンは購入のサポートだけでなく取引相場を調べてアドバイスをくれたり
アフターフォローにも優れています。
ただの情報屋として不動産の営業マンを判断しないようにして下さい。

・自分に都合の良い話があっても立ち止まって考える。

「あなただけに紹介している未公開物件」とか
「優先して公開前の物件を紹介している」
というのは営業のよくある手口ですが以外とこれに弱い人は多いようです。

未公開物件だろうが優先して紹介されていようがその物件を購入することで
ちゃんと利益がでるのか、焦らずに考えて下さい。

・物件によっては自費でインスペクションを検討する。

個人間の物件売買では瑕疵担保責任免責で取引をしているケースをよく見かけます。
※瑕疵担保とは建物の保証期間のようなもの

物件に故障箇所がでると修繕に多額の費用がかかるだけでなく、
建物の状態によっては入居率にも影響がでてしまいます。

簡易的なものであれば数万円の費用で建物の検査ができます。
瑕疵担保免責や瑕疵担保3か月間の場合には契約前に
インスペクションの検討も必要です。





国交省は将来的にはアメリカの不動産取引のシステムのようなものを
日本でも導入したいと考えているようです。
試験的に横浜市で不動産データベースを作ったりしています。

そのため各不動産業界の団体でもアメリカ視察に行ったりしているようですが
視察に行っても何も改善されず、視察はおじさん達の慰安旅行になってしまいます。

消費者よりも不動産業者に情報が多い現状に居心地の良さがあるのかもしれません。

決して自浄能力が高い業界ではないので今は消費者側が
ある程度自衛をする必要があります。


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