2016年11月21日月曜日

日本の不動産取引の現状と問題点 ①

こんにちは。
栄不動産株式会社です。
http://s-fudousan.cbiz.co.jp/


ネットニュースにこんな記事がでていました。
~不動産仲介業界の悪しき実態 横行する「干し」「値こなし」~
http://news.livedoor.com/article/detail/12291507/


かなり極端な事例をあげているので全てが事実ではないと思いますが、
囲い込み行為は現実に行われています。

一時期、囲い込み行為について報道されて業界側も専任・専属専任媒介の物件は
レインズの販売状況を売主が閲覧できるようにシステムを改善しました。

しかし、レインズ掲載は公開中(販売中)となっていても商談中だと言って
他社には物件の紹介をさせないケースは依然として続いています。

この囲い込み行為は大手不動産仲介会社でも行われていますし
中小の不動産仲介会社に至ってはレインズ登録すらしない会社がたくさんあります。

高額な商品である「不動産」がどうしてこんな風に扱われてしまうのか
不動産流通の先進国アメリカと比較して問題点を考えてみようと思います。


〇アメリカの不動産市場


アメリカの不動産流通は8割が中古物件です。
日本では一生に一度の買い物と言われる不動産ですがアメリカ人は
何回も買い替える人がいます。
一軒の家に住み続けるという文化がないのです。

不動産の評価についての考え方が日本と違うことも中古住宅の流通を
後押ししています。

大きな違いはアメリカの不動産評価は建物が中心であり
日本は土地が中心であるということです。

例えば築30年の木造物件は日本では建物がメンテナンスされていて
十分使える場合でも評価はゼロです。
(最近は金融機関によっては融資を受けることができますが担保評価はゼロです)

アメリカは築年数に関係なく建物の状態がよければ高い評価で取引が行われます。
ちなみに建物は減価償却するという考えは日米共通です。
同じように減価償却費を経費として計上できます。

建物の価格割合が高いアメリカは減価償却が多くなり日本と比較すると
税制面で優遇されています。

〇アメリカの不動産流通システム


アメリカの不動産情報はMLSというシステムに登録されていて情報は
不動産エージェントに公平に提供されます。

販売物件として世に出たものは全て掲載しなければいけない厳格なルールがあり、
違反をすると営業ができなくなる厳しいルールがあります。

MLSに掲載する情報は個別に規定された専門資格者などが
法定書式で作った情報を掲載します。

主な情報は民間の不動産ウェブサイトにも提供され、一般の人も情報収集が
簡単にできる状況となっています。

そのため不動産エージェントの役割は物件情報の提供よりも購入物件に
問題がないかという判断や購入手続き、契約中の交渉、購入後のケアなどが
重要となってきています。

〇アメリカの不動産エージェント


不動産エージェントとはリアルターという試験に合格した資格者のことで、
日本の宅建士にあたります。

日本の不動産営業マン=アメリカのエージェントですが、
アメリカのエージェントはリアルターライセンスがなければ
営業ができませんが、日本は宅建を持っていない営業マンがたくさんいます。

不動産エージェント=資格をもったプロフェッショナルというアメリカと比べると
日本の不動産営業マンは誰でもできる営業職のひとつにすぎません。

〇ブローカー


日本で不動産ブローカーというと小太りのあやしいおじさんを
イメージしてしまいますがブローカーとは宅建業免許者、
いわゆる不動産業者のことを指します。

一定期間のエージェント経験がブローカー試験受験資格が発生し、
合格すればオフィスを開業可能です。

専任の取引士を雇えば誰でも開業できる日本の不動産会社とは違います。

ブローカー・リアルターどちらも資格の更新が必要で更新のためには
単位の取得が必要です。

日本の不動産協会にも法定研修がありますが、
最初の休憩時間には2/3が帰ってしまいます。

出席をカウントしてもらえばOKな研修なので研修効果はほとんどありません。

ちなみにアメリカの不動産会社は両手成約ができないと言われることがありますが
州によっては禁止されていない場所もあるそうです。

ただし、両手成約の場合には双方のエージェントであることを
知らせなければならないそうです。

〇エスクロー会社


アメリカの不動産取引は分業化されていて契約後の引渡業務は
エスクロー会社という第三者が行います。
売主と買主はエスクロー会社を介して取引をします。

資金もエスクロー会社の口座に入金しますので、売主が持ち逃げなど
できないようになっています。
取引が円滑に行われるようサポートしてくれる役割がエスクロー会社にはあります。




日本とはシステムがかなり違うことが分かると思います。
次回は消費者側の視点から日本とアメリカの不動産取引を比べてみようと思います。



1 件のコメント:

  1. 大変参考になりました。ありがとうございます。出井信夫

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