2016年6月24日金曜日

イギリスはEU離脱! その影響はリーマンショック級? リーマンショック時の不動産市況を振り返る

今日の午後、イギリスの国民投票の結果が公表されました。
結果はEU離脱となりました。

イギリス国旗


世界経済への影響は大きく今日の日経平均は大幅に値を下げました。
これからどの程度の影響があるのか予想もつきませんが、一部では「リーマンショック級」とも言われています。

今回はリーマンショック時の不動産価格の下落はどのような経済状況で起きたのか振り返ってみようと思います。


〇リーマンショックの日本への影響


サブプライムローン問題が表面化したことにより起き、100年に1度の経済危機言われたリーマンショックですが、リーマン・ブラザーズの前に同じ投資銀行のベアー・スターンズの経営危機が起こりアメリカ政府に救済されます。


その5か月後にリーマン・ブラザーズが破たんします。
そしてその翌日に大手保険会社のAIGが経営危機に陥り、公的管理下におかれます。
さらにその2週間後にアメリカ下院で金融安定化法案が否決されNYダウは大暴落します。


日本では2008年6月から10月までの4か月間で株価が5割下落します。
2008年6月に14,000円だった日経平均は10月28日に7,000円を割る事態になりました。


サブプライムローン問題は対岸の火事と思われていましたが急激な円高や株価の下落で金融機関は融資に慎重になり結果としてお金が回らなくなり経済は悪化しました。


翌年には金融機関による融資回収や金利引き上げなどを回避する目的で金融モラトリアム法が導入されました。

「銀行は晴れた日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」とドラマ「半沢直樹」で堺雅人さんが言っていましたがそれができないように法律を作ったわけです。

〇リーマンショックの頃の投資用不動産市況


この頃はアパートローンを扱う金融機関は少なく、一部の高属性の人や資産家でなければ不動産投資ができない時代でした。

それに加えて、リーマンショックで株価が下がり銀行は融資を控えました。

株価と地価の動きはある程度の相関性があるため地価は下落し、金融機関が融資をしないことで不動産を買う力のある人が少ないため投資用不動産の価格は下がり利回りが上昇しました。

都内で築20年くらいのRC造の物件が利回り10%で買えたのはこの時代です。

物件が安くてもそれを買える資金がある人が少ない、そんな時代でした。


〇イギリスのEU離脱は日本の不動産に影響を与えるか?


これからイギリス国民の判断が世界の経済にどれだけの影響を与えるかは分かりませんが
金融機関が不動産に融資をし続ければ不動産価格への影響は少ないと思っています。

現物の不動産が担保にとれるアパートローンは金融機関にとって優良な融資先になります。

いざとなったら本業の給料を差し押さえて不動産は競売にかけてしまえば大きな損失には
ならないからです。

これから日本の金融機関がリーマンショックの時のような大きな影響を受けて不動産投資への融資基準を厳しくした時には投資用不動産は流動性を失い価格が下がる可能性があります。

ただし、価格が下がってから投資をしようと考えている人は「もしかすると融資を受けられなくなるかもしれない」と想定しておく必要はあると思います。



2016年6月10日金曜日

【融資】 複数法人利用の「一物件一法人スキーム」はグレーゾーン?

短期間で規模拡大ができると不動産投資関連のセミナーで取り上げられているスキームがあります。

法的にはかなり際どいというか、違法な可能性が高い方法ですが、不動産投資の仲介業者や不動産投資塾などが、セミナーで融資テクニックだと言って勧めていることが多いようです。


今回は資産管理会社を利用した「一物件一法人」の融資スキームについてお話しします。





〇資産管理法人を設立することのメリットは?


資産管理法人を設立して所得を分散し、節税をする方法は税金対策としてはメジャーなやり方です。過度な分散や経費計上などをしなければ、複数の法人を設立しても法的には何らの問題もありません。


・資産管理法人設立のメリット

①一定以上の収入になると、個人の所得税よりも法人税の方が税率が低い。
②家族を役員にすることで所得を分散できる。
③個人よりも経費の計上がしやすく、保険の利用などで節税も可能。
④資産管理法人に物件を所有させることにより、相続がスムーズに進む
⑤消費税還付に対応しやすい  など


〇問題となる一物件一法人スキーム



最初は個人でアパートローンを利用して物件を購入するケースが多いのですが、最初から資産管理法人を複数設立して、多くの融資を受けることを勧めているセミナーや不動産業者があります。


資産管理法人を設立して融資を受けることには、何の問題もありません。

問題になるのは、他の資産管理法人で融資を受けていることを金融機関に隠して、新たな資産管理法人で融資を受けるやり方です。


個人で受けられる融資には限度があります。
年収の10倍、20倍など金融機関ごとに最大限度を決めています。

その限度額以上の融資を受けるために、個人では融資を受けずに物件ごとに資産管理法人を設立して、別々の銀行から融資を受けるのです。


例えば年収1,000円の人が、A銀行では年収の20倍の2億円を借りたとします。
年収の10倍が融資限度のB銀行からは融資を受けることはできません。


これを避けるために、A銀行から資産管理法人Aで融資を受けて、B銀行には資産管理法人Aの存在を隠して、資産管理法人Bに融資をしてもらいます。
うまくいけばC,D,Eと続けていきます。

個人の信用情報は、法人の連帯保証人となっても登録されない場合があるため、別の法人の存在を隠したまま融資を受けてしまうことができるのです。


以前に違法なオーバーローンについてお伝えしたことがありました。
参照:犯罪の可能性も 違法なオーバーローンに注意

今回のケースも同様に銀行をだまして融資を受ける行為ですので、融資金の一括返済を求められたり、悪質な場合には詐欺罪で告発される可能性もあります。


〇金融機関に隠している法人が知られてしまう可能性は?



マイナンバー制度により、法人にも番号が指定されています。
法人は法人番号・商号・所在地から誰でも検索ができます。

自宅が法人の所在地になっていれば、たくさん法人があることは確認できますし、法人の名称が分かれば、法人の登記簿は誰でも取得ができます。

今は分からなくても、マイナンバーの運用が拡大していけば、隠していた法人を探す方法がたくさん出てくるかもしれません。

銀行の合併によって、隠していた法人の存在を知られてしまう可能性もあります。
金融機関が本気になって調査をすれば隠し通せるものではありません。


〇最悪の結果になれば超ハイリスクな一物件一法人スキーム



著名な投資家のセミナーや、一部の不動産会社では、規模を拡大するためのテクニック的な話として「一物件一法人」のスキームは勧められています。

もし、この方法を勧めている人がいたら聞いてみて下さい。
「金融機関に隠していた法人の存在がばれたらどうなりますか?」




銀行に借り入れを隠し、欺くような一物件一法人のスキームはグレーゾーンではありません。

一括返済や融資の謝絶の可能性のある人生が破綻しかねない危険な行為です。
一物件一法人スキームの場合、投資規模が億単位になっていることが多く、個人が自分の資産だけで対応できる範疇を超えている可能性が高いです。

一括返済だけでなく、保有物件の経営に行き詰った場合にも、多大なリスクを背負っていることになります。



以前から申し上げているとおり、不動産投資は身の丈にあった投資をすれば資産形成を早めて安定した収入をもたらしてくれますが、破綻や犯罪者になるリスクを負ってまでまでやる必要はありません。

最終的には投資は自己責任です。
違法な可能性のあるスキームには、手を出さない方が賢明です。


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