2016年4月27日水曜日

アパート経営の必要経費と税務上の取扱い 物件取得時

アパートやマンション経営でどうしても逃れられないのは必要経費と税金です。どんな費用が経費として計上できて、どのような税金がかかるか理解していないと突然の支出で運営に影響が出る可能性があります。

今回は収益物件を購入する時の経費と税金について説明します。




〇収益物件購入時の税金



不動産を購入する場合、物件の価格以外に諸経費がかかります。


【売買契約時】


・契約書貼付の印紙代


【残金決済時】


・登録免許税 
・司法書士報酬
・火災(地震)保険料 ※契約期間に応じて均等に償還
・仲介手数料
・固定資産税清算金
・印紙代(金銭消費貸借契約書貼付) ※1
・保証料 ※1 ただし一括ではなく保証期間に応じて均等に償還
・融資事務手数料 ※1


【引渡後】


・不動産取得税 
引渡し後、数か月以内に請求書が届きます。

※1の項目は融資利用の場合に必要な経費(金融機関によって異なります)


費用計上できるものを赤資産計上されるものを青で記載しました。
登録免許税(司法書士報酬含む)と不動産取得税は、個人か法人かで税務上の扱いが異なります。

個人:費用計上 法人:費用計上か資産計上か選択可

収入印紙は売買契約書は資産計上、金銭消費貸借契約書は費用計上となります。

収益物件購入の初年度は経費として計上できる金額が多いため税務上は赤字になる場合もあるようです。

不動産取得税のように物件購入後しばらく経ってからかかる税金もあります。
突然通知がきて、払うためのお金がないということにならないよう経費や税金は事前に確認しておきましょう。


2016年4月22日金曜日

アパートオーナーの地震への備え 

このたびの「平成28年熊本地震」でお亡くなりになった方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

この震災で改めて日本は地震の多い国で地震への備えが必要であると思いました。

地震で建物が倒壊した場合、アパートのオーナーは入居者の損害について賠償責任はあるのでしょうか?




〇天災時のアパート・マンションオーナーの責任



当該建物が建築基準法の耐震基準を満たしていれば賠償責任はないとされています。

この耐震基準は建築当時の基準でいいので旧耐震の建物は今の耐震基準を満たしていなくてもいいのです。

ただし、建物の修繕状況が悪かったり、違反建築の建物でそれが原因で耐震上の問題があった場合には損害賠償責任が発生する可能性があります。


〇日本の耐震基準には地域ごとに違いがある


今回の被災地である熊本県は地域別地震係数が0.80.9で首都圏に比べて耐震基準の緩い地域でした。
過去のデータから比較的に安全と思われていたのです。

他にも地震係数の低い地域はありますので該当地域で物件を所有している方や旧耐震基準の物件を所有している方には耐震診断をお勧めします。
自治体によっては耐震診断や耐震補強に補助金がでるところもあるはずです。

不動産賃貸業は不動産に住む人から家賃をもらって運営していくものです。
住宅の安全性はそこに暮らす入居者の生命にかかわる問題です。
投資の効率は下がるかもしれませんができる限り対応していただきたいと思ます。



〇地震で建物が倒壊したら



建物が倒壊した場合、賃貸契約はその時点で終了します。
倒壊した建物については地震保険に加入していれば保険金が支払われますが、地震保険は火災保険の最大50%が補償範囲です。


火災保険を時価ベースでかけていたりすると必要な補償が得られない場合がありますので注意が必要です。

地震が原因の火災は火災保険では補償されないので
地震保険には加入しておくべきだと思います。

地震によって建物が使用できなくなった場合、保険金がおりたとしても建物の再建築には相当の時間がかかります。

建物が完成して入居者が入るまでの間は賃料収入はゼロです。
融資を利用していれば、賃料収入がなくても返済は続きます。

※金融機関が特例で返済を猶予することもあります。

オーバーローンなどで無理な融資を受けていると破たんの可能性もありますので建物の耐震についてはもう一度考えるべきだと思います。

2016年4月11日月曜日

投資用不動産の査定方法

先日、宅建士の免許更新講習に参加しました。
そのなかに不動産の価格査定についての講習がありました。

一般の消費者には分かりにくい不動産価格はどんな方法で査定されるのでしょうか?


〇不動産の用途別に3つの価格評価法がある


①原価法

原価法は不動産の建設費等のコストから不動産を評価する手法です。

同様の不動産を再び購入すると仮定した場合に必要な金額を再調達原価といい、そこから価値の低下する要因(建物の経過年数等)に応じて減価修正を行なって算出します。

同じような物件を作るにはいくら掛かるのかを計算し、建物が老朽化していたり設備が劣化している場合にはその分だけ評価額から差し引くことで、評価額を求める方法です。

金融機関の担保評価や保険価格の算出などによく使われる評価方法です。

中古住宅の建物価格はメンテナンス状況により大きく異なるのですが、現状ではひとつひとつの建物の価値に合わせて算出されているケースは少なく、築10年なら新築時の50%、築20年を超えると価値はゼロなどというようにおおまかに算出されていることが多いようです。

算出されるのはコストを反映した価格なので、市場で売買する価格とは別の話となります。

②収益還元法


不動産から得られる家賃などの収益を将来にわたって算出し、それを現在価値に割引して評価します。

収益還元法にはDCF法と直接還元法の2つがあります。
DCF法は中長期的な収益で不動産の価値を判断します。

直線還元法は1年間の収益から不動産の価値を判断するため、一般的にはDCF法で評価された価格の方が精度が高いと言われています。

・DCF法

収益資産を持ち続けた時に、その資産が生み出すキャッシュ・フローと保有期間終了後の売却予測価格を現在価値に割り戻して足し合わせて評価額を算出します。

将来の予測をしながら評価額を算出するため、根拠となる数値設定が非常に難しいことが難点です。


・直接還元法

収益資産から得られる1年間の純収益を一定率で割り戻して直接現在価値を求める方法です。


収益還元法は不動産が生み出す収益に着目した査定方法なのでアパートやテナントビルなどの賃貸に出されている不動産の評価額算出に利用されています。

収益性とは無関係の建売住宅や自己居住用分譲マンションの査定において、収益還元法はほとんど使われていません。


③取引事例比較法

原価法や収益還元法といった評価方法と異なり、その不動産単体ではなく、近隣の他の不動産との比較で評価額を求める方法です。

近隣の不動産の過去の取引を基準とし、必要に応じて補正・修正や地域・個別物件の要因を比較して不動産の価格を算出します。

収益を出すことを目的としていない自己居住用住宅の査定に適しており、その地域の相場にあった取引価格を算出できるという利点もあります。


日本の不動産市場は透明性が低く、事例の蓄積が少ないため過去の売買事例が見つからないことがあります。

事例が少なければ平均値の算出が難しく、的確に比較をおこなうのは困難なケースもあります。


〇投資用不動産の価格査定はどの方法を使う?


不動産の価格は上記の手法によって求められた価格を調整して、最終的に査定価格を決定します。

投資用不動産の実務では金融機関は原価法もしくは収益還元法、不動産業者の価格査定では収益還元法と取引事例比較法を合わせたものを使っていることが多いと思います。

原価法・収益還元法どちらも査定に用いる指標によって結果として示される金額に大きく違いがでます。

原価法であれば用いる土地の価格や建物の価格によってです。
土地の価格に公示地価を用いるのと路線価を用いるのとでは約20%の違いが出ます。
(H28年3月28日の記事「4つの土地価格」をご覧下さい。)
http://fp-s-fudousan.blogspot.jp/2016/03/28-2220160.html


収益還元法でも収益を何%で割り戻すかによって大きく査定額に違いがでます。
実務では割り戻す還元率を取引事例や競売不動産の落札利回りなどから求めます。
査定のうえでは取引事例は非常に重要です。


☆何の理由もなく安い物件はありません。



安い物件は査定の結果、安い価格で売っていてその価格の算出根拠があります。

どのように物件が査定されて、どのくらいが価格交渉できる範囲なのか、ある程度の目安が分かれば問題のある物件を買ってしまうことも、現実的でない価格交渉をして時間を無駄にすることもなくなるでしょう。


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